さらばラバウル 最後の戦闘機 / Farewell Rabaul

さらばラバウル 最後の戦闘機 主人公の男性(右)とそれを見つめる女性2人(右)のカット

1954年
東宝/モノクロ・スタンダード/106分
昭和29年2月10日公開

さらばラバウル 最後の戦闘機の台本表紙
さらばラバウル 最後の戦闘機のポスター

映画「さらばラバウル 最後の戦闘機」についての解説

戦争を嫌う監督の海軍航空隊の作品である。戦闘場面は極端に少なく、南海の孤島の娘と日本軍中尉との恋、日本とアメリカの間に生まれる人の絆、日本軍の人命軽視な作戦、職業に徹した日本軍への疑問を通じて戦争とは何か?を問い質す作品だ。

太平洋戦争中の日本軍の前進基地、パプア・ニューギニアのラバウルを舞台にした戦争映画。
前作「太平洋の鷲」とは対照的にドラマチックな要素をふんだんに盛り込み、鬼隊長と恐れられる撃墜王・若林中尉の厳しい生きざまと、その戦友、部下の少年航空兵、報道班員、酒場の女性たちなど周囲の多彩な人物を通して日本軍の人命軽視の思想や、文明を破壊する戦争そのものへの静かな怒りを表明した。

ミッドウェイ作戦などの大規模な海戦シーンを見せ場にした「太平洋の鷲」に続いて、本作ではイエロー・スネークの異名を持つ敵パイロットとの空中戦をはじめ、若林が戦友を救出するために海岸に強行着陸したり、雷雲に逃げ込んで敵機の追跡をかわしたりするなど、本編と特撮のより緊密なリレーが図られており、こうしたコンビネーションが次作「ゴジラ」の成功へとつながったことがうかがえる。

さらばラバウル 最後の戦闘機の主演の池部良(中央)とヒロインの看護師・小松すみ子を演じた岡田茉莉子(左)と男達のカット
主演の池部良(中央)と
ヒロインの看護婦・小松すみ子を演じた岡田茉莉子
さらばラバウル 最後の戦闘機の若林の戦友・野口中尉(平田昭彦)と、野口に寄りかかる現地カナカ族の娘キキ(根岸明美)のカット
若林の戦友・野口中尉(平田昭彦)は
現地カナカ族の娘キキ(根岸明美)と恋に落ちる
さらばラバウル 最後の戦闘機 東宝撮影所にて、台本を手にした本多猪四郎監督(右)と岡田茉莉子(左)
東宝撮影所にて、
台本を手にした本多監督と岡田茉莉子

staff

製作   田中友幸
脚本   橋本忍
     木村武
     西島大
     橋本忍
監督   本多猪四郎
撮影   山田一夫
美術監督 北猛夫
美術   阿久根巌
録音   宮崎正信
照明   猪原一郎
音楽   塚原哲夫
監督助手 古澤憲吾
編集   岩下広一
音響効果 三縄一郎
振付   平野宏果
特殊技術 円谷英二
     渡辺明
     向山宏

出演 池部良
   岡田茉莉子
   三国連太郎
   平田昭彦
   根岸明美
   中北千枝子
   木匠マユリ
   ボッブ・ブース
   村上冬樹
   谷晃
   久保明
   小山田宗徳

中台正
恩田清二郎
西条悦郎
井川敏明
水野匡雄
鈴木豊明
帯一郎
鴨田清
石原忠(佐原健二)

製作       本木荘二郎
製作       田中友幸
脚本       橋本忍
         木村武
         西島大
         橋本忍
監督       本多猪四郎
撮影       山田一夫
美術監督     北猛夫
美術       阿久根巌
録音       宮崎正信
照明       猪原一郎
音楽       塚原哲夫
監督助手     古澤憲吾
編集       岩下広一
音響効果     三縄一郎
振付       平野宏果
特殊技術     円谷英二
         渡辺明
         向山宏

出演       池部良
         岡田茉莉子
         三国連太郎
         平田昭彦
         根岸明美
         中北千枝子
         木匠マユリ
         ボッブ・ブース
         村上冬樹
         谷晃
         久保明
         小山田宗徳
         中台正
         恩田清二郎
         西条悦郎
         井川敏明
         水野匡雄
         鈴木豊明
         帯一郎
         鴨田清
         石原忠(佐原健二)
         他

さらばラバウル 最後の戦闘機 ラバウルの日本人街を再現したオープンセットでの記念撮影
ラバウルの日本人街を再現した
オープンセットでの記念撮影
さらばラバウル 最後の戦闘機 自ら負傷しながら、不時着した戦闘機につかまりながら野口を救出しているシーン
若林は不時着した野口を救出したものの
自分も負傷してしまう
さらばラバウル 最後の戦闘機 見つめ合う主人公(右)と看護師のヒロイン女性(左)