この度は、ホームページの設立おめでとうございます。
日本に限らず、世界に向けての発信ということで改めて本多先生の偉大さを感じています。
幾つかの項目に分けてお話させていただこうとも思いましたが、思ったままに綴らせていただきたいと思います。
本多先生の思い出といえば、何といっても「やさしい監督」であった事でしょう。
演技についても特に細かい事は言わず、特に女優には何も言わず自分というものを尊重して下さいました。
ですので私も大いに自由に演じさせていただきました。
私は若い頃から外国の映画をよく観ていたので、アルヌールなどを意識しながら演じていた事を思い出します。
数多く出演させていただいた作品の中で、特に私は個性の強い役を楽しみに演じていました。ですので、本多先生の63年作品「マタンゴ」の「関口麻美」の役は自分でも精一杯、のびのびと、そして思いきり楽しく演じる事ができました。今まで出演してきた作品、特に東宝特撮の中でもこの「マタンゴ」は1番好きな映画です。
こういった「マタンゴ」のような作品がこのホームページを通じてまた世界中の人々に観て頂けるとうれしく思います。
本多先生はいつでもニコニコしていらっしゃいました。先にも述べましたように作品に入ると「この役はこういうものだよ、あとは自由にね」と一人の女優としての可能性を最大限に引き出してくださいました。どんな時でもニコニコ。そして「いいよ、いいよ」と。
また女優達の前で、撮影の合間など山形弁で話しかけてくださったりしてとても現場も楽しい雰囲気でした。
思ったままを綴ってしまいましたが、本多監督の人間性、作品の芸術性、様々な事がこのホームページから世界中に伝わる事を願っています。
水野久美