本多監督といえば『映画監督』ですが私が初めて監督の作品を観たのはテレビの「帰ってきたウルトラマン」第1話・怪獣総進撃でした(再放送)。怪獣タッコングが団地に迫る中、小鳥や子犬を救う郷秀樹。そしてついにに団地が破壊され子供を庇い瓦礫の下敷きになる郷……子供心に本当にドキドキし今でもその時の感動が忘れられません。以来特撮物が好きになり東宝作品等を見る内に自然と本多監督を意識するようになりました。私が感動したあの話を監督された方が日本の特撮映画のパイオニアだったとは!
私感ですが本多監督の演出は重厚にしてリアルであり、この点同ジャンルを担当された福田監督の軽快にしてややコミックテイストな作風とは好対象に思います(この采配は田中友幸氏の狙いでしょう)。私はどちらも好きですが本多監督の骨太な演出からは誠実なお人柄が感じられます。個人的には『ガス人間第一号』が最も好きな作品で何度見ても感動し演出の匠さに唸らされます。もちろん他にも好きな作品多数ですが…どの作品もまさに匠であり優れた職人、活動屋・本多監督の腕の確かをまざまざと感じさせられるのです。
さて、来年は監督の生誕100周年との事で大変喜ばしく思います。次の事は本来こちらに書くべき事ではないのかも知れませんがお許し戴きたいと思います。本多監督の作品の中に『獣人雪男』という作品があります。私も名画座で数回観賞致しました。かなり初期の特撮映画で歴史的にも貴重な上、本多監督の真面目な作風がマッチした佳作でした。しかし残念ながら未だソフト化されていません。確かにソフト化するには難しい部分が含まれているかと観賞して思うのですが埋もれさせるには余りに惜しい作品です。そこで私なりにこういった事を考えたのですが如何でしょう?
『獣人雪男
(DVDエディション)』
完全な形で不可能であれば部分的な編集をして(もちろん本多監督のご遺族様の許可・監修をして戴いた上でです)世に出す方法です。問題と思われる個所のみ止め画にしてナレーション処理し後は通常の形でソフト化するのです。本来完全な形でソフト化するのが当然でしょう。しかし一部分のために全編ソフトされないのであるならば部分的に手を加えてでもソフト化するのは私は意義があるのではないかと思うのです。もちろん、ファンは不完全な形を残念に思うはずです。それを豪華特典で補うのはどうでしょうか?
予告編の収録はもちろん本編の主演をされた宝田明氏のオーディオコメンタリーやインタビュー。本多組のスタッフの方や出演者による監督の思い出。本編および監督のミニ写真集。佐藤勝氏のサントラ。あるいは品田冬樹氏が再現した雪男の親子フィギュア…等色々考えられると思います。
作品に手を加えるという事を不快に感じられるかと思いますが自分なりに何とか世に出すために考えたアイディアです。どうかご参考程度までにお耳を貸して戴けたらと存じます。本多監督にはまだまだソフト化されていない作品が沢山あります(所謂特撮以外の物ですが)。どうか本多監督の作品が一本でも多くソフト化され容易に観られる環境になって欲しいと願っています。
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