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星 由里子様(本多先生)
「本多先生」 1964年「モスラ対ゴジラ」、本多先生との初仕事でした。もう42年も前になります。先生は背が高く、いつも茶色のハンチング帽をかぶって、優しい先生でした。共演の!?ゴジラさん、モスラさんに逢った事がない私達出演者は、いつもブルーバッ... -
宝田明様(誠実なる演出家)
誠実なる演出家 私が東宝に入社したのが昭和28年4月、第6期ニューフェースとして今は亡き、藤木悠、河内桃子、岡田真澄の三氏、そして今も渋い役どころを演じている佐原健二君と私。 1年間の養成期間を待たずして3カ月を過ぎた頃、面接によって私にとって... -
小泉博様
「港へ来た男」昭和27年、まだデビューしたばかりで初めての地方ロケ。宮城県女川という鯨漁の基地だった。新人なので育ててやろうという本多監督の優しさと、三船さんとの共演の嬉しさと、町中にしみこんでいる鯨の強烈な臭いが印象に残っている。 「お... -
西條康彦様
私と本多猪四郎監督との出会いは特撮映画ではなく『サラリーマン上役下役ご同役』という作品でした。(私が20歳ころ)入社試験のシーンで優秀な学生役を久保明さんが演じて私はおっちょこちょいで慌て者の学生役で最初のシーンのテストの後で「西條君!君... -
水野久美様
この度は、ホームページの設立おめでとうございます。日本に限らず、世界に向けての発信ということで改めて本多先生の偉大さを感じています。幾つかの項目に分けてお話させていただこうとも思いましたが、思ったままに綴らせていただきたいと思います。... -
久保明様
(1) 本多猪四郎監督作品の出演作の名で印象に残っている作品とその理由。 各作品、夫々にいろいろな思い出があり印象に残っている。一つの作品を選ぶのはむずかしい。あえて挙げるのであれば「マタンゴ」(63年)か。7人の男女がヨットで遭難し、無人... -
夏木陽介様
国内外のファンの方々の要望にこたえて本多先生のホームページが開設されることになったそうで心よりお慶び申し上げます。 1958年、未だ日本の映画も元気があり、初めて訪ねた東宝砧撮影所はスタッフが走り廻り週末ともなるとバスで見学に来る人達でご... -
土屋嘉男様 本多監督との思い出
本多さんに初めてお会いしたのは、私が黒澤さんの『七人の侍』に出演中だった。当時私は黒澤家に居候をしていた頃で。本多さんは時々黒澤邸に遊びに来られた(昭和28年頃)。お会いする毎、本多さんの温かいお人柄を感じた。本多さんと黒澤さんは共に... -
高島忠夫様 本多監督へのエピソード(質問形式)
本多猪四郎監督作品の出演作の中で印象に残っている作品とその理由 題名は殆ど覚えていないのですが、ゴジラをおびき出すためドラムをたたくといってシーンで私は昔、俳優になる前神戸の米軍基地でバンドのドラマーで叩いていたので叩きながらなつかしかっ... -
無冠の巨匠 本多猪四郎(第一回)
はじめに この文章は、本多猪四郎監督が旅立たれた翌年である94年、月刊誌「宝島30」2月号と3月号の二回にわたって掲載されたものです。それをこのたび、本「本多猪四郎」サイトにて、数回かに分けて連続掲載させていただくことになりました。 本文に... -
無冠の巨匠 本多猪四郎(第二回)
執拗きわまりない演出 まずは、やはり昭和二九年の第一作『ゴジラ』に戻って、日本初の巨大怪獣ゴジラの生みの親は誰なのかを考えてみよう。 田中友幸プロデューサーは、同年二月のビキニ環礁核実験でマグロ漁船第五福竜丸が被爆した事件にヒントを得て... -
無冠の巨匠 本多猪四郎(第三回)
戻ってきた男 「一年の内に何回かは夢でうなされてました。本当に大変なうなされ方でした。それは全部軍隊ですね。銃の引き金を引く瞬間の思いとか、自分が原爆のボタンを押す当番になって、秒読みが始まった瞬間の夢なんです。やっぱり戦争の体験が年中... -
無冠の巨匠 本多猪四郎(第四回)
どこにもない軍隊 昭和二六年、四十歳にしてやっと『青い真珠』で監督デビューした本多さんは、二九年の『ゴジラ』をきっかけに特撮映画の造り手として活躍していく。「クロさん(黒沢明)が本当に、主人のシャシン見ると性格が出てるよねえって。あんな... -
無冠の巨匠 本多猪四郎(第五回)
永遠の科学少年 兵器と一体になった自衛隊の、整然たる作戦行動を緻密すぎるほどに細かく描写する本多演出は、今もメカマニアの観客たちの胸を熱くさせる。 実は本多さん自身、当時最先端技術だった活動写真へのメカニック的興味から映画に目覚めた人... -
無冠の巨匠 本多猪四郎(第六回)
戦後を知らない男 昭和三八年の『海底軍艦』は、本多さんの世代が持つ「科学」と「戦争」へのアンビバレントな思いが集約された一編だ。 そもそも『海底軍艦』の原作は日露戦争直前に押川春浪が書いた軍国科学小説で、東亜を支配する白人と闘うために大... -
無冠の巨匠 本多猪四郎(第七回)
本当の主人公 『海底軍艦』の場合はムウ人だったが、本多監督は『地球防衛軍』のミステリアンや、『怪獣大戦争』(六六年)のX星人といった宇宙からの侵略者も、自らの優秀さと科学力を信ずるあまり、全体主義的になった悲しい存在として描く。 彼らの... -
無冠の巨匠 本多猪四郎(第八回)
ゴジラと『青い真珠』 (「宝島30」1994年3月号掲載) 『バットマン』(91)シリーズの監督ティム・バートン(58年生)は、少年時代からのゴジラ・ファンである。製作が報じられているハリウッド版『ゴジラ』の監督は、残念ながら彼ではないようだ(※註... -
無冠の巨匠 本多猪四郎(第九回)
怪獣博士の背中 『ゴジラ』における<現代社会からゆきはぐれてしまった人間>は、まず、ゴジラの存在を初めて示唆する古生物学者、山根博士(志村喬)である。 伊豆諸島の大戸島近海で起こった謎の災害に対する国会の公聴会で、ネクタイを背広の前に出... -
無冠の巨匠 本多猪四郎(第十回)
ゴジラと心中する男 本多監督は、ゴジラと心中することになる芹沢博士(平田昭彦)のキャラクターも、彼の部屋ぐるみ演出している。戦争で片目を失い、そのせいで婚約者であった山根の娘・恵美子と会うことなく地下の研究室に閉じこもる芹沢。監督は、芹... -
無冠の巨匠 本多猪四郎(第十一回)
美女とガス人間 「主人の映画では、『地球防衛軍』みたいな勇ましいのは良く分かりませんでしたけど、『ラドン』なんかは奇麗で好きです。炎に焼かれた雌を救いに、雄が戻っていって一緒に死んでいくでしょ。最後の場面は涙が出ました。あと、『ガス人間... -
無冠の巨匠 本多猪四郎(第十二回)
本多監督のヒロイン 男まさりの女たちが産業の主戦力となっている、しかも近代以前の時間が流れる島。異性との恋をあきらめ、キラキラと光る海に身をささげるヒロイン・野枝。その姿は、古典芸能の女王として殉死する『ガス人間』の藤千代とも共通する女... -
無冠の巨匠 本多猪四郎(第十三回)
あれが最後のゴジラ 七〇年代に入ってから、ゴジラ映画は本多監督の手を離れ、主に幼児向けの低予算映画として作られ続けていたが、七五年、再び本多監督がメガホンを取ることになる。監督と同じ成城学園前に住む脚本家・高山由紀子さんのシナリオを基に... -
無冠の巨匠 本多猪四郎(第十四回)
ゴジラが振り向くとき しかし、八〇年代に入り、ゴジラは復活した。かつての本多作品を観て育ったファンもターゲットにし、再び大人も観られるエンターテインメントを目指して。だが、肝心の本多さんに監督依頼は一切なかったそうだ。「クロさんに頼まれて...
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