真紅の男 / The Scarlet Man

1961年
東宝/カラー・東宝スコープ/89分
昭和36年9月12日公開
(同時上映「新入社員十番勝負」)

「真紅の男」台本
「真紅の男」ポスター

映画「真紅の男」についての解説

養父である勝田組組長の罪をかぶって服役した隆は、4年の刑期を終えて出所した。
しかし、その間に幹部の三隅が組の実権を握り、麻薬の密売で人々を苦しめていた。
かつての恋人だったトミ子も麻薬中毒にされ、三隅の情婦になっていることを知った隆は、学生時代の友人・牧川刑事や、麻薬Gメンの兄を殺した犯人を捜すバーのマダム・伊久子とともに、三隅の罪を暴いて町を救おうとする。

「赤い殺意」「泥だらけの純情」などで知られる作家・藤原審爾の原作によるハードボイルド活劇で、東宝のギャングもの《暗黒街シリーズ》のバリエーション的な作品。
本多監督は「宇宙大怪獣ドゴラ」「地球最大の決戦」といった”怪獣が出てくる刑事アクション”も撮っているが、本作は典型的なヤクザ映画の設定やドライな暴力描写が頻出する点において、そのフィルモグラフィーのなかでも特に異色の一編といえる。と同時に”真の悪人はいない”という本多監督の人間観が込められた映画でもある。

主演の佐藤允とかつての恋人・トミ子を演じた原知佐子の宣伝用スチール
クライマックスシーンより、トミ子の亡骸を抱いた隆と伊久子(白川由美)
アクションスターとして活躍した佐藤允が正義感あふれる主人公を熱演

Staff

製作   田中友幸
     三輪礼二
原作   藤原審爾
脚本   間藤守之
監督   本多猪四郎
撮影   小泉一
美術   清水喜与志
録音   上原正直
照明   山口偉治
整音   下永尚
音楽   広瀬健次郎
主題歌  北原謙二
監督助手 野長瀬三摩地

出演 佐藤允
   久保明
   白川由美
   原知佐子
   田村奈巳
   伊藤久哉
   清水元
   中谷一郎
   西村晃
   堺左千夫
   三島耕
   野村浩三

大塚国夫
佐多契子
佐田豊
谷晃
沢村いき雄
大村千吉
中山豊
若松明
久世竜
天本英世

製作       田中友幸
         三輪礼二
原作       藤原審爾
脚本       間藤守之
監督       本多猪四郎
撮影       小泉一
美術       清水喜与志
録音       上原正直
照明       山口偉治
整音       下永尚
音楽       広瀬健次郎
主題歌      北原謙二
監督助手     野長瀬三摩地

出演       佐藤允
         久保明
         白川由美
         原知佐子
         田村奈巳
         伊藤久哉
         清水元
         中谷一郎
         西村晃
         堺左千夫
         三島耕
         野村浩三
         大塚国夫
         佐多契子
         佐田豊
         谷晃
         沢村いき雄
         大村千吉
         中山豊
         若松明
         久世竜
         天本英世
         他

牧川の下宿のセットにて、伊久子役の白川由美を演出する本多監督
三隅(伊藤久哉)がトミ子に麻薬を与えるシーンの撮影風景
麻薬密売の証拠をつかもうと伊久子の店で作戦を練る隆と牧川刑事(久保明)