獣人雪男 / Half Human

映画「獣人雪男」のワンカット。冬服の男女(男性が両脇に2人と、女性が1人)が写っている。

1955年
東宝/モノクロ・スタンダード/95分
昭和30年8月14日公開

映画「獣人雪男」のポスター。タイトルと、中央全体に大きく獣人雪男が描かれている。

映画「獣人雪男」についての解説

──冬の日本アルプスでスキーを楽しんでいた東亜大学の一行が悪天候に見舞われ、山小屋にいた武野と梶が消息を絶った。武野の妹・道子と飯島、中田の3人が警察の捜索隊と共に山小屋に向かうが、そこには何者かに殺された梶と小屋の主人の遺体、そして巨大な動物の足跡が残されていた。
春の雪解けを待って再び山に登り、行方不明の武野を探す飯島たち。やがて、地図にも載っていない谷の奥深く、隠れ里で暮らす娘チカや村人たちが恐れている山の主の存在が明らかになる。それは獣人雪男として知られる未知の類人生物なのか。そこへ雪男を捕獲して見世物にしようと企む、悪徳興行師・大場の一味が現れた……!

『ゴジラ』『ゴジラの逆襲』に続いて香山滋が原案を担当した特撮SF作品で、世界各地に目撃例がある雪男の謎に生物学的見地からスポットをあてた等身大モンスター映画。雨の駅舎で主人公たちが新聞記者に事件を回想して聞かせる導入部と、それに対応したラストシーンは、まさに探偵小説的な叙述形式の構成になっている。
未知の存在を許容してきた自然と人間社会のバランスが、人間の欲望とエゴによって崩壊するという展開や、飯島に恋をしたために村の掟を破り、最期は雪男と運命を共にするチカの悲劇は本多作品の重要なモチーフ。一方、円谷英二はコマ撮りのモデル・アニメーションを随所に使用し、人間やトラックと雪男を合成したアクション・シーンなど『ゴジラ』の大がかりなスペクタクルとは異なる特撮の見せ場を創り出している。

映画「獣人雪男」の撮影中のワンシーン。カメラの横で一方を見つめる本多猪四郎監督と、周りのスタッフ。
日本アルプス・白馬ロケでの撮影風景。
右下は監督助手を務めた岡本喜八
映画「獣人雪男」のタイトル文字。背景に雪山が写っている。
映画「獣人雪男」の撮影中のワンカット。雪男(着ぐるみ)とそれを見つめる本多猪四郎監督の様子。
スタジオにて、コンクールで選ばれた
相良三四郎が扮する雪男と

Staff

製作    田中友幸
原作    香山滋
脚本    村田武雄
監督    本多猪四郎
撮影    飯村正
美術    北辰雄
録音    西川善男
照明    横井聰一
音楽    佐藤勝
監督助手  岡本喜八
編集    庵野周一
音響効果  三縄一郎
現像    東宝現像所
製作担当者 黒田達雄
特殊技術  円谷英二
      渡辺明
      向山宏
      城田正雄

出演 宝田明
   河内桃子
   中村伸郎
   根岸明美
   小杉義男
   高堂国典
   笠原健司
   堤康久
   堺左千夫
   山本廉

瀬良明
岡部正
鈴木孝次
中山豊
谷晃
大村千吉
千葉一郎
相良三四郎

製作       田中友幸
原作       香山滋
脚本       村田武雄
監督       本多猪四郎
撮影       飯村正
美術       北辰雄
録音       西川善男
照明       横井聰一
音楽       佐藤勝
監督助手     岡本喜八
編集       庵野周一
音響効果     三縄一郎
現像       東宝現像所
製作担当者    黒田達雄
特殊技術     円谷英二
         渡辺明
         向山宏
         城田正雄

出演       宝田明
         河内桃子
         中村伸郎
         根岸明美
         小杉義男
         高堂国典
         笠原健司
         堤康久
         堺左千夫
         山本廉
         谷晃
         大村千吉
         千葉一郎
         相良三四郎
         他

映画「獣人雪男」のワンカット。厚着をしゴーグルや手袋をした男女が写っている様子。
「ゴジラ」に引き続いて主演の宝田明、
河内桃子と堺左千夫
映画「獣人雪男」の宣伝用スチール。女性がこちらを見つめている。
野性的な山の娘チカを演じた
根岸明美の宣伝用スチール