東宝/モノクロ・スタンダード/67分・68分
昭和32年7月9日公開
(同時上映「強情親爺とピンボケ息子」)
(解説)
当時、200回にわたって放送された人気ラジオドラマの映画化。
お嬢様育ちのヒロインと造船会社に勤める青年が偶然の出会いから想いを寄せ合うが、娘を溺愛する父親の反対や恋敵の策略、複雑な家族関係など、さまざまな出来事に翻弄されて離ればなれになってしまう……というストーリー。
「君の名は」「忘却の花びら」などと同様の《すれ違いメロドラマ》である。
「ゴジラ」の主演コンビが再び恋人役で共演しているほか、女たらしの医者に扮した伊藤久哉、ヒロインの姉に横恋慕する社長役の平田昭彦ら、本多作品のおなじみの顔ぶれが典型的なメロドラマのキャラクターを演じている。
スタンダード画面を活かし、常に人物をシンメトリックな構図に配した画面設計も印象的だ。
なごやかな撮影の合間の一コマ。右から本多監督、主演の河内桃子、婆や役の本間文子
伊久子(河内桃子)が弟とドライブするトップシーンの演出風景
笑顔で交際を報告する伊久子に、父の周治(上原謙)は猛反対する
箱根のロケ先にて談笑する本多監督と河内桃子、上原謙
出演
宝田明
河内桃子
上原謙
高峰三枝子
江原達怡
伊藤久哉
平田昭彦
杉葉子
根岸明美
土屋嘉男
森啓子
河美智子
本間文子
三田照子
林幹
村上冬樹
伊沢一郎
他
伊久子の異母弟・純役の江原達恰、秘書・室町役の杉葉子を演出中
セットを訪れた原作者をまじえての記念撮影
出生の秘密を知った伊久子は愛する達雄(宝田明)に別れを告げる