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南国の肌 The Skin of the South
The Skin of the South (1952)

南国の肌

東宝/モノクロ・スタンダード/95分
昭和27年2月28日公開

製作
野坂三郎、大橋公威
原作
福田清人「花ある処女地」
脚本
本多猪四郎
監督
本多猪四郎
撮影
川村清衛
美術
渡辺明
録音
西川善男
照明
近藤兼太郎
音楽
芥川也寸志
監督助手
筧正典
南国の肌南国の肌

ドキュメンタリーを撮りたい、と言う夢と自然を愛する監督の表現の場でもあったのか?
無謀な土地開発から起こった土砂災害に苦しむ住人達、その実態と自然のメカニズムを研究する若者。
其処に愛と憎しみが絡み合う人間模様を描いた作品。

(解説)
東京労研から九州・鹿児島に派遣された地質研究員の大野と高山は、霧島山麓に広がる特殊火山灰土「シラス」を調査し、台風が引き起こす土砂災害を防ぐ研究を続けていた。そこへ同じ研究所の医師・三浦貞枝が婦人健康問題の調査にやってくる。
3人は新しい農村を建設するという理想に燃え、地元の人々のために尽くすが、悪質な不動産ブローカー・野中の出現で村人たちとの間に亀裂が生じる。
野中は大野の警告を無視し、山崩れの危険がある浮遊台地の山林を買い占めて強引に樹木の伐採を始めた。やがて豪雨による川の増水が続く中、ついに最悪の事態が村を襲う……。
 
自然と共に生きる人間の営みに科学の目を向け、無謀な土地開発をめぐる軋轢や、三角関係の恋愛模様を織りこんだ本多監督ならではの人間ドラマ。
怪獣のように荒々しい自然と向き合い、自分の研究を人々のために役立てようとする主人公の姿は、本多作品に登場する科学者像の原点といえるだろう。
クライマックスの特撮シーンは、円谷英二率いる東宝技術部が担当。土石流に押し流される家々(ミニチュア)と、それを見守る村人たち(地元のエキストラを含む)のカットバックは、すでに本多=円谷コンビの編集のリズムになっている。


南国の肌

主人公・大野を演じる伊豆肇、ヒロイン貞枝役の藤田泰子と本多監督

南国の肌

霧島高原でのロケのスナップ

南国の肌

「青い真珠」に引き続き志村喬が出演。貞枝や大野たちの上司で理解のある労働医学心理学研究所の所長を演じている

出演

伊豆肇
藤田泰子
志村喬
藤原釜足
春日俊二
利根はる恵
小杉義男
柳谷寛
三好栄子
馬場都留子
岡田龍三
牧荘吉
深水吉衛
堤康久
八代敬
大塚秀男
山本廉
堺左千夫

南国の肌

いつしか惹かれ合う大野と貞枝。だが、恋愛に不器用な二人はお互いの気持ちを伝えられない

南国の肌

危険が迫る中、避難を呼びかける大野に野中(小杉義男)は「まだ邪魔するか」と食ってかかる

南国の肌

大野が崖崩れの跡を調査している冒頭シーンの撮影風景


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