東宝教育映画/モノクロ・スタンダード/不詳
昭和25年製作
(解説)
──東京郊外の小さな住宅地。復員してきた昇三はなかなか就職口が見つからず、許嫁である文子の家に居候して無為な生活を送っていた、そんな昇三を歯がゆい思いで見守る文子。ある日、昇三は親友の新聞記者・土井と再会し、消費者の生活実態を調査する仕事を紹介される。戦後の復興期、まだまだ貧しい日々の暮らしに悩む庶民の声を聞いた昇三は、ある村で生活協同組合の存在を知り、自分の町にも生協を作ろうと奔走する。(シナリオより要約)
「都市農村の生活協同組合の実態を単に記録でなく、劇的要素を多分に採り入れた紹介映画」(昭和26年「青い真珠」東宝スタジオメールより)
従来『生活協同組合』のタイトルで紹介されてきた、厚生省(現在の厚生労働省)提供の短編作品。生協を戦後民主化の象徴的な市民運動としてとらえ、そのシステムをドラマ仕立てでわかりやすく解説したもの。監督デビュー前にオリジナル脚本で手がけた本作にもすでに記者や博士(経済学)が登場しており、怪獣映画をドキュメンタリーとして演出した本多監督のルーツ的な部分が垣間見える。